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かめちゃんのBlog

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2004年01月27日

汚れた川の鴨

 ウチの裏には川があるんだ。幅は50メートルほどの、わりと大きな川なんだけど、流れはほどんどなく、青緑色によどんでる。おまけに夏場は、けっこうどぎつい匂いを運んでくるんだ。もし、大きな地震が起きて(関東大震災のときのように)火から身を守るために川に飛び込まなくちゃならなくなったら、はたして飛び込めるかなぁ、と真剣に悩んじゃったりもする。
 その川に、丈夫だけどみすぼらしい鋼鈑の橋がかかっていて、普段は、あまり人は通らない。というのも、その数十メートル先には立派な道路橋があるし、この地域は車社会だから、この橋を歩いているのは、向こう岸のバス停に行く通勤客ぐらいだ。それと犬の散歩をしているひとかな。あとジョギングと(けっこういるじゃん!)
 これは数日前の話しになるけれど、その人気のない橋の上に、黒い人だかりが出来ていたんだ。子どもたちにおとうさん、それにお年寄りたち。なかには双眼鏡を持っているひとまでいる。みんな橋の欄干に手を突いて、川をのぞき込んでいるんだ。
「もしかして、たまちゃん?」
 なんて一瞬思ったけど、さすがにこんなところに来られるわけがない。それじゃあ、なに? ヘドロにも住める新型生物?
 橋の上に行くと、川をのぞき終えたおばあちゃんに、なにがいるのか聞いてみたんだ。おばあちゃんは、ちょっとがっかりした感じで「鳥だよ、鳥。あんなのいつでもいるよ」と言ってさっさと橋を降りていってしまったんだ。
 なんだ、鳥かぁ……。確かにカラスとスズメはいっぱいいる地域だけど……なんて思いながら、ひょいっとのぞいてみたら、なんと、青い首をした鴨が一羽、汚い川面で羽を休めていたんだ。
「わっ! 鴨!鴨!鴨!」
 正直言って、びっくりしたよ。鴨にびっくりしたというよりも、おばあちゃんの言葉にだ。いつもいる? この川に?
「気にしてないと目には入らんのだよ」とどこかのおじさんの声。そのおじさんも、なんだか見慣れているとでも言いたげだった。
 この町に来てから五年目。裏の川は死んでいると決めつけて、いままで川を見ようとしてこなかった。長年住んでいるひとたちは、この川とともに生きてきたから、橋を渡る度に、自然と目がいくのかも知れない。だから、この川はまだ死んでないってことがわかっていたんだね。
 この川の河川敷は、荒れ放題の藪。おせじにも美しい風景とはいえないんだ。だけど、その藪の中から飛び立つ小さな鳥もいたんだよ。汚い場所っていうのは、ぼくの勝手な思いこみだったんだ。
 おじさんの言うとおり、見ようと思わなければ見えないものって、たくさんあるんだね。

投稿者 かめちゃん : January 27, 2004 02:48 PM

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