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カメちゃんのお出かけ帳

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かめちゃんのBlog

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2004年02月15日

テレビの脅威

 テレビを観ていて何がイヤかと言えば、突然、見たくもないCMを見せられてしまうこと! 特に参っちゃうのは、家庭用洗剤のCMね。まず、あのキレイになったバスを指でこすったときの「キュッ!キュッ!」というあの音。背中から、やまたのおろちが這い出してきそうになる(飼ってるんかい)。それに、カビ。「お試しください」と素人ぶったおばちゃんに商品の洗剤を渡し、おばちゃんの家の黒ずんだカビを画面いっぱいに映し出す。思わず「おえっ!」とやまたのおろちを吐き出しそうになる(だから、飼ってるんかい!)。
 これが食事中だったらもう、悲劇としかいいようがない。「こんな会社の商品なんか絶対買わない!」と毎日のように、心に誓ってる(そうとは気がつかずに買っちゃうんだけどさ)。
 見たくもないものを見てしまう。それはCMに限ったことではなかったりする。今日の夕方、NHK教育で舞台中継(収録かな)をやっていたんだ。演目は『マッチ売りの少女』。アンデルセンじゃなくて、別役実氏の初期の作品らしい。初回上演は1966年というから、かなり息の長い「名作」なんだろうね。演劇についてはさっぱりわからないけど、WEBで調べてみたら、大学や高校の演劇部でもよく演じられている人気脚本みたい。
 べつに観るつもりはなかったんだ。ただ、チャンネルをカチャカチャ替えていたところ、ちょっとした好奇心で、その手を止めてしまったのが運の尽き。
 それは、不思議な舞台だった。出演者は4人。円形の舞台上に、セットはダイニングテーブルだけ。全体的に暗く、派手な動きはない。ただ、不可思議な言葉のやりとりが続いている……。
 ストーリーは、大晦日の寒い夜、初老のごく普通の夫婦の家に、突然、見知らぬ女性が訪ねてくる。寒さに震える彼女を不憫に思った夫婦は家に招き入れ、お茶を勧める。遠慮がちな彼女がぽつりぽつりと話し出した身の上話は、戦後の動乱期、まだ七歳の頃に、マッチ売りをしていたという話しに始まり、そのマッチ売りをさせた親を捜していること、それがその夫婦、つまり自分はふたりの娘だったという(状況的にはあり得ない)話しにまで発展していくのだ。そしていないはずの弟まで現れ、夫婦の平和なひとときに、波風を立てていく……。
 戦後のイヤな思い出を忘れて平和に暮らす夫婦と、過去から逃れたくても逃れられない傷を負った姉弟との対比が、不条理な会話の中であいまいになり、善良なのか悪質なのか、親切なのか傲慢なのか、観ているほうは翻弄されっぱなしになる。
「なんだ、この劇は……」と、チャンネルを回すリモコンを持ったまま、しばらく画面に釘づけ。そのまま一時間、けっきょく、最後まで観てしまった。感想? 毒を飲まされた感じ……。
 偶然目にしなければ、一生、観ることはなかったその舞台。たとえ内容を知っていても、劇場に足を運ぶことはなかっただろうな。「苦労は買ってでもしろ」とはいうけれど、よっぽど決心のあるひとでなければ買いたいとは思わないのと同様に、この手の社会的メッセージが深くて難解な作品は、よっぽど好きでなければ、チケットを買うまでにはいたらないと思うのだ。観て損はない作品だとは思うけど、観たいと思う積極的な動機がない。
 しかし、テレビは「そんな動機は必要なし!」と、強引に観るきっかけを押しつけてくる。
「なにこれ?」という気軽さで止めた手は、まだ毒がぬけずにブルブルしている。どうしてくれるよ? NHK。

投稿者 かめちゃん : February 15, 2004 04:21 PM

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