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かめちゃんのBlog

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2004年03月24日

話題にならない万博(4)

「あなた方は、万博になにを観に行くのです?」と、向かいの席に座っていたスウェーデン人の女性が声をかけてきた。1992年秋、スペインのセビリア万博に向かう列車の中での出来事だ。
「え?」
 そんなこと、聞かれるとは思っていなかったし、おまけに英語で聞くな~!……ってことで、言葉に詰まってしまったのだ。
 特に理由はなかった。ただ、「万博? スペイン? あ、行く」ってなだけのノリだった。やっぱりお祭り気分ってやつだろう。
 その女性はけげんそうな顔をした。自分の行動に理由を見つけられないことを不思議に思っていたようだ。ならば彼女はさぞ、ごりっぱな理由で万博に行くのだろう……と思い「あなたはどうなのです?」と、聞き返してみたら----
「太陽を見に行くの」……ときた。
「は? 太陽?」
「北欧は太陽がないの。だから、思い切り日の光を浴びたいのよ」
 もしもし……それ、万博に行く理由というより、アンダルシア地方に行く理由と違いますかい? ……と突っ込みたかったが、シャイな日本人、そんなこと言わない。黙って、笑って、ワインを飲む……のである。
 セビリアの万博は、バルセロナのオリンピックとセットだった。これはいつものこと。大阪万博は、6年前の東京オリンピックから企画されていたことだし、開催2年後の1972年には、札幌でオリンピックが行われた。実は日本は、1940年にも万博を企画していた。しかも、オリンピックとの同時開催をすでに考えていたのだ。開催地は東京月島埋め立て地と横浜の山下公園。すでにテーマソングも決まり、宝くじ付きの回数券も用意していたが、結局、政情不安でつぶれたらしい。
 オリンピックと万博。同時に開催(数ヶ月~2年ぐらいのラグはあるが)することに、なんのメリットがあるんだろう……って、経済効果しかないか。インフラ整備に巨額な投資がなされ、モノも人も移動する、巨大なマーケットが生まれるのだ。4年に一度の祭り(オリンピック)に追随して国際大イベントが行われれば、気分は高揚、世界はひとつ、財布の紐はゆるみっぱなし! ……になるのだろう。
 この「ダブルで」というもくろみは、次期、北京オリンピック(2008年)と上海万博(2010年)でも実現する。これで中国大躍進となるか?! ……なりそうな気がする。
 さて、セビリアに戻ろう。セビリア万博のテーマは「発見の時代」だ。祝・コロンブスのアメリカ発見500周年! を記念してのことらしい。「日の沈まぬ黄金の国・スペインって時代もあったねぇ~」と回顧する会か? ってことではないと思うが……いや、そうかも知れない。
 さて、万博を機に敷かれた高速特急列車(AVE)で会場につくと、そこは人の山だった。6ヶ月間の総動員数は4100万人を超えたというから、大阪万博に次ぐ大盛況だ。ってなことで、見学できたパビリオンは数えるほどだった(なにせ、予定は1日。いま思えば、他の街の観光なんてやめて、1週間どっぷり万博づけになっていればよかった)。
 何時間も並ぶことに耐えられるのは日本人だけかと思いきや、並ぶ並ぶ、民族を超えてみんなお行儀よく並んで待っている。アメリカ、フランスのパビリオンなんざ、自国民観光客であふれていた……なんて言いながら、真っ先に向かったのは日本館。もしや、日本人だらけ……かと思いきや、けっこう、いろんな人々が並んでいた。
 恥ずかしかったのは、パビリオン前の列を仕切るために用意された、等身大の人間のパネルだ。ベニア板のような薄っぺらい人型の板に、人の印刷写真(だろうな)を貼った数十体の物体! それが、日本館前に整列し、その合間に並んで入館を待つ構造になっていたのだ。せめて兵馬俑ぐらいのクオリティがあれば……。
 が、日本館の中は、なかなかよかった。建物は巨大な木造建築で重厚なのにしなやか。展示物の目玉は、再現された安土城天守閣(5,6階部分)だ。これが、きんきんぎらぎら。おまけに狭い。今度、大河ドラマで信長をやるときは、この天守閣をどこかで使って欲しい……なんて思う。
 ほかの展示はというと、折り紙(紙細工)からコンピュータアートまでの古今の芸術作品だった。これって、神社やら五重塔のほかに、工芸品を展示していた130年前の日本館と、さほど変わっていないような気がする(しかしながら、日本館は最多入場者数を獲得したらしい。天晴れ、日本!……って、日本人観光客が最多だったから? じゃないよな)。
 ほかのパビリオンは、実はよく覚えていないのだ。巨大スクリーンに360度の映像……なんていうのもあったが「ディズニーランドでも同じようなもの観た気がするなぁ」という感じなのだ。大がかりなテーマパークやフェアに慣れ親しんでしまうと、万博はその延長に過ぎないように思えてしまう。巨大企業が経営するテーマパークが進化し続けている中、万博はこの先、どうなっていくのだろう。
 その数年後、再び、セビリア万博の開催地跡(「発見の広場」という公園)へ行ってみた。派手なパビリオンは姿を消し、ただ漠然とした広い公園がそこにあった。あのにぎわいはなんだったのだろう。公園内は、散歩する親子連れやローラーボードで遊ぶ若者が数人いるだけだった。まるでひとつの都市が消えたような、なんともわびしい気分になったものである。
 と、なぜかひっぱる万博ネタ。明日こそ愛知万博ですな。

投稿者 かめちゃん : March 24, 2004 05:46 PM

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