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かめちゃんのBlog

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2004年04月10日

パパのお説教「群盲、象をなでる」

 ウチのパパは、お説教が好きだった。
 今思えば、あれは子どもたちに、会社や社会の愚痴をぶちまけていただけじゃなかろうか、という気もしないでもないのだが、ともかく、夜、仕事から帰ってくると、子ども相手にくどくどと、お説教をたれていたのだ。
 別に聞くのはきらいじゃなかった。中には「なんか違う」と思ったこともあったが、ちっちゃかったあの頃は、親に議論をふっかけても勝てるわけがないし、そもそも異論を唱えようなら、「親に逆らうのか?」という無言のプレッシャーで、グシャッと押しつぶされるだけだった。
 そのお説教の中に「群盲、象をなでる」という格言があった。
 あるとき、目の不自由なヒト(お坊さん)数人が、象とはいったいどういう形をしているのかを、みんなで触って確かめようとした。あるヒトは鼻を触り「象は細長いものなんだ」と言い、あるヒトはしっぽを触り「象はヒモみたいなものなんだ」と言い、足を触ったヒトは「象は太い幹のようなものなんだ」と言い……と、それぞれ、一部分だけを触って、象をわかったつもりになっていた。そんなわけで、みんがみんな「象とはこれこれこういうものだ」と言い合い、誰も譲らず言い争いになってしまったのだ。そんな中、ひとりの知恵者が「象は、みなさんの言っているものをすべて含むものなんだ」と言うのである。
 つまりこの教えは、自分が「正しい」と思い込んでいることも、それは一面であって、その本質をとらえていないかも知れない……ということだ。
 で? だから? だから、おとといからずっと気分をブルーにさせている「イラクの日本人人質事件」について考えていたら、ふと、パパのそのお説教を思い出したってわけだ。
 いま、日本の国民の意見は、だいたい二つに分かれているんじゃないだろうか。ひとつは「自衛隊は引きあげる必要なし!」という政府支持派と、「とっとと自衛隊をひきあげろ!」という人権重視派だ(こっちに一票!)。
 この2日間、両方の意見をテレビやネットで見てきたけれど、どうしてこんなにも対立しているのだろうと首をひねった。そこで、象である。そもそも、それぞれが見ている「情報」が違うのではないか? ということだ(もちろん、それだけではないけれど)。つまり、象の鼻としっぽという、それぞれ違う「情報」を手にし、互いに「これが現実」だと思っている。同じ情報(つまり真実!)を知った上で政府支持派、人権重視派に分かれるならまだ救いがある。怖いのは、こういう状況にあると、政府はメディアを統制し、プロパガンダをしかけてくる危険があるということだ。そういう情報だけで「これが象だ!(政府が正しい)」と言ってやしないか? と思うのである。
 たとえば、あの人質を知らせるビデオについて、日本の大手メディアでは、あまりショックを受けない部分だけをつないで流していると聞いた。だけど、海外メディアでは、見るに忍びない映像を含んだ未編集(全編)を流しているのだ(昨夜のニュース23でも、少しは流したようだけど)。人質事件は「自作自演じゃないのか?」などという意見を寄せているヒトもいるようだけど、そんなヒトたちは、あの編集済みの映像だけしか見ていないのだろう。自分の見たモノがすべてだと思うなかれ、である。
 日本のメディアが伝えない(あるいは歪んで伝えている)ニュースは確実にある。だけど、情報源がそれしかなければ、誰だって群盲になってしまうのはある意味、仕方ないのかも知れない。
 ともかく、政府批判がしにくくなっているいまのメディアを頭から信じるのはちょっと待て! と言いたいのだ。いまならネットや衛星放送で、海外メディアの情報も入ってくるし、それを翻訳してくれるメールマガジンなどもある。なにより、現地で活躍されているヒトの生の声を知ることができるのだ。もちろん、その情報を無防備に信用するのも危険だけれど、多くの情報を得ることで、群盲になる危険は避けられるのだ。
「テレビはウソつかない」はウソなのだ。
 政府支持派の方々は、いま、自分の信じていることが、どのような情報から確立されたモノなのか、いまいちど、考えてみてほしいものである。

投稿者 かめちゃん : April 10, 2004 06:13 PM

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