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かめちゃんのBlog

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2004年04月21日

眠れる夜のコーヒー

 寝る前に、しばしばコーヒーを飲む。
「夜はコーヒー飲んじゃダメ、眠れなくなるでしょ!」と昔は親に怒られたものだが、いまは怒るヒトがいないもんで、平気で飲む。いや、たとえ怒るヒトがいたとしても、いまなら反論しまくるだろう。なにせ、いくら寝る前に飲んでも、眠れなくて困ったことがないのだから。
 コーヒーの起源説にこんなのがある。
 むかしむかし、エチオピアのアビシニア高原にカルディという名の山羊飼いがいました。ある日、カルディは新しい牧草地に山羊を連れて行きました。夜になり、カルディは山羊を集めたのですが、山羊たちはいつになく興奮していて、いっこうに眠る様子がありません。
 不安に思ったカルディは、近くの修道院に相談に行きました。翌日、修道院長のスキアドリは、その原因を探るため、カルディの山羊の様子を見ていました。すると、山羊たちは、ある樹木の赤い実を食べているではありませんか。
 スキアドリはその実を摘んで帰り、その実をゆで、その汁を飲んでみたのです。すると、どうでしょう。夜だというのに、目がさえて、眠れなくなってしまったのです。
 スキアドリは、これはいい! と手を打ちました。この修道院では、夜中に礼拝を行っているのですが、修道僧たちは睡魔に負けて、居眠りをしてしまうのです。そこで、礼拝前に、この黒い汁を修道僧たちに飲ませれば、眠らずにすむのではないかと考えたのです。
 効果は抜群。それからというもの、修道僧たちは、睡魔に襲われることがなくなったのです。
 この話が修道院から修道院へと伝わり、黒い汁、すなわちコーヒーは広まった……ということである(これは一説。他にも説はある)。
 眠れない……というのは、カフェインのせいだが、最近のコーヒーはカフェインをおさえているのだろうか? それとも、体質だろうか。ともかく、飲んでも簡単に眠れてしまう。
 ウチではここ数年、『スターバックス』の豆を使っている。薄くて味気ないアメリカのコーヒーは、このお店の出現でイメージが変わってしまった。
 スペインのコーヒーはコン・レチェ(ミルク入り)じゃなければ飲めたものじゃない。やけに濃いのだ。濃いといっても、おとなり、イタリアのエスプレッソの域には到達していない。
 コーヒーがいち早く伝わったトルコのコーヒーは、粉ごと鍋で煮出し、粉ごとカップに注ぐ。このコーヒーは日本の喫茶店で飲んだことがあるけれど、ざらざらして苦くてあまり口にあわなかった。
 イギリスは紅茶の国……のイメージがあるけれど、コーヒーは紅茶より先に広まったようである。コーヒーを出す店、コーヒーハウスが生まれたのは、ピューリタン革命の頃で、厳格なピューリタンはアルコールを非難し、歓談の場はパブからコーヒーハウスに移っていったそうだ。
 パブでは「酒の席の話しだからさぁ」といい加減になるところ、コーヒーハウスではそうはならない。店内には、最新の雑誌や新聞がおいてあり、紳士たちは情報交換や議論をするために、コーヒーハウスにいりびたっていたそうな。ノンポリだった人々は、このコーヒーハウスで市民という意識に目覚め、近代市民社会の基礎を創り上げていったというわけだ。
 この頃、あまりにコーヒーハウスにいりびたる旦那衆が多かったようで、ご婦人方は、コーヒーハウス追放運動を起こしたりしている。コーヒーハウスはあくまで殿方のもの。口うるさい女房から逃れるために、朝からいりびたっていた輩もいたに違いない。
 いま、コーヒーは、『スターバックス』のようなチェーン店が流行っているせいか、忙しいビジネスマン向け飲み物のイメージが強くなってきた。その昔、眠いのを我慢して礼拝に出ていた修道僧が飲み、家庭を顧みないで社会について論議していたイギリス紳士が飲んだコーヒー。現代ビジネスマンがコーヒーを愛飲するのも、なんとなくわかる気がする。
 でも、眠くならないんだよなぁ……。


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投稿者 かめちゃん : April 21, 2004 06:34 PM

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