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カメちゃんのお出かけ帳

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かめちゃんのBlog

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2004年05月29日

人力車

 山崎洋子の小説『横浜幻燈館』に、人力車をひく女学生が出てくる。この話の舞台は明治時代の横浜、外国人居留地なのだが、ストーリー自体は軽い推理小説で、細かい内容は忘れてしまった。ただ、この時代に男勝りに人力車をひく女性なんているのかなぁ、という印象だけが残っていた。
 先日、横浜中華街に行ったとき、その話を思い出した。人力車があったのだ。黒塗りで赤いふわふわのシーツで幌つき。意外に大きい。もちろん、明治2年(1869年)に発明された人力車そのものではないが、ヒトを乗せるのだから、このぐらいの大きさはあったのだろう。そして、その人力車の前には、若い女性がはっぴを着て客を待っていたのだ。
「やっぱり女性でも、ひけるんだ」
 だけど、ヒトにひいてもらって街を廻るというのは、なんとなく申し訳ない気がしてしまう。しかも、自転車やバイクにのってではなく、自分の足で走るのだから、そうとう体力がいるだろう。
 明治時代は、これまでの「かご」にかわって、この人力車がタクシー代わりになっていたようで、外国人の書いた日本訪問記には必ずといっていいほど、この人力車の話しが出てくる。とにかく誰もが驚くのは、その速さと体力だ。ずっと走りっぱなしで、横浜から箱根やら日光まで運んでくれると言うのだから、(その話を信じればだが)超人である。おまけに、車夫のとる食事は実に質素で、客が茶店でゆっくり食事をしている間、ご飯とお茶だけを流し込んで待っているというのだ。
 この人力車、誰だったかの手記(裏覚え)に、気に入ったので買って帰ったという記述もあった(車夫が気に入ったわけじゃない。車のほう……あたりまえか)。また、外国人観光客むけのポストカード(写真に色をつけたやつね)には、人力車に美しい日本髪の女性が乗った写真や、ふざけて、転倒している写真なんかが使われている。こういうの、異人さんは好きなんだろうな。
 現代の人力車は、思い切り走れる道路もないし、まさか「箱根まで行ってくれ」なんて客もいないだろうから、ゆっくりのんびり、景色を楽しんでもらうために走っているんだろう。
 乗ってみたい……けど、やっぱり、申し訳ないな。


横浜幻燈館―俥屋おりん事件帳
山崎 洋子

新潮社 1992-05
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投稿者 かめちゃん : May 29, 2004 12:34 AM

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