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2004年06月20日

台風の海

 むかし、台風がくる直前に「海、見に行くか?」と父親に誘われ、家族で見に行ったことがある。
 車で行くこと十数分、ガランとした道路上に車をとめて、どす黒く荒れた海を見下ろした。
「すごい」
 目の前に広がるはずの砂浜は、濁りきった海の底に沈み、ひっきりなしに押し寄せる高波は、怒りに我を忘れたかのように強靱な岩に食らいついては砕け散っていく。まるで海と陸との戦場のようである。
 怖い……と同時に、なんともいえない不思議な興奮を覚えた。「なんだろう、この感覚は……」
 非日常的なその光景は、思考しようとする芽をなぎ倒し、頭になだれ込んでくる。
「そろそろ、やばいから帰るぞ」と、海を良く知る父親が号令をかけて車に戻ったけれど、「危険」に潜んでいるものは、恐怖だけじゃないんだと、つくづく感じた。
 台風6号が勢力を維持したまま日本列島を直撃している。ま、こちら関東では「風、ちょっと強いか?」という程度なのだが(いまのところ)、西日本はご愁傷様である。
 そんな中、波に足を取られ行方不明(その後死亡確認)となったヒトビトの報道が続いた。波と戯れていた若者や釣りに出ていたご年輩。ちょっと前に流行った「自己責任」という言葉が頭をよぎりながらも、むかし家族で見た荒れた海の光景を思い出したのである。
「危険だから行くな」と言っても行ってしまう心理は、いろいろあるだろうけれど、危険そのものに魅せられてしまうという、端から見れば迷惑この上ないあきれた動機も少なくあるまい。そういうヒトビトに、「大馬鹿野郎」と感情にまかせて非難するのは簡単だけれど、あの荒れた海で感じた不思議な興奮を思い起こすと、わからなくもないのだ。
 海にもきっと、ヒトを惑わすローレライがいるんだろう。一目会いたいとフラフラ出かけてしまうと足下をすくわれる。哀れな犠牲者のみなさん。ご冥福をお祈りします。
 それにしても、ウチの父親は大丈夫だろうか。「荒れた海、見に行ってくる」なんてこと、いまでもやってないだろうな。

投稿者 かめちゃん : June 20, 2004 01:11 AM

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