MENU
カメちゃんのお出かけ帳

チームマイナス6パーセント

かめちゃんのBlog

« 外来語の言い換え | メイン | メルちゃん観察日記 »

2004年07月02日

記憶の嘘

 渋谷の発砲事件の犯人が自首してつかまった。「いかにも!」の怖そうなおじさんだったが、目撃された人物像とは風貌がちがったため(目撃証言=白髪、自首したおじさん=つるつる)逮捕までには時間がかかった(銃刀法違反では逮捕されたけど)。
 なんでも、レンタカー生活で金に困っての犯行らしく、「刑務所なら飯は食える」なんて思ったおじさんが、事件に便乗して名乗り出たのかも知れないなぁ、と思ったりもした。が、銃弾は一致、どうやらホンモノらしい。
 一件落着……だけどすっきりしない。「目撃証言とはけっこうあいまいなものなのだな」ということを再認識させられたからである。
 和歌山毒物カレー事件の裁判の報道で、5年ぶりに口をひらいた被告が無罪を主張した。そのとき「娘と一緒にいた」と言うのだ。被害者側は「嘘にきまってる。5年も前のことをあんなに覚えていられるわけがない」とコメントしていた。同感である。が、では目撃談の方はどうなのだろう。白髪とつるつるの見間違えは、5年も前の話じゃない。その日の話だ。
 記憶はパソコンのハードディスクとちがい、過去の出来事をそのままストックしているわけじゃない。記憶は時間と環境にきわめて影響をうけやすいもので、過去は現在の自分の欲求を元にして思い出されるもの……だそうだ(『うそつき』チャールズ・v・フォード著/草思社)。「記憶は嘘をつく」ことは、さまざまな心理学的研究結果で実証済み! なんだそうな。
 発砲事件の目撃者は、容疑者のつるつる頭を白髪と間違えた。推測に過ぎないけれど、「おじさんだった」というおおまかな記憶の上に、目撃者のおじさん像=白髪が結びつき、そんな犯人像を記憶が勝手に創り上げたのかも知れない。
 ヒトの知覚はカメラじゃない。一瞬目にしただけの光景は、そうそう正確に記憶されることはないのだ。「こいつが犯人だ!」という空気に包まれてしまえば、その先入観で、記憶はそれを裏付ける形に再構成されてしまう可能性は否定できない。
 陪審員制度が日本でも始まる。もし陪審員に選ばれてしまったら? と思うとその重圧はそうとうなものになりそうだ。犯人の証言も、被害者の証言も平等に聞き入れ、そこに本人も気づかない記憶のねつ造がないかどうか、果たして心理学にも法学にも通じていないド素人に判断できるだろうか?
 わかりませんな。

投稿者 かめちゃん : July 2, 2004 01:29 AM

コメント


コメント用ボックス

コメントをお寄せくださる際は、お名前(必須)、メールアドレス(必須)、URLをご記入ください。




保存しますか?