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2004年07月26日

科学の恩恵

  出勤10分前。並々注いだアイスコーヒーのグラスが、culiを直撃した。
「ふぇ~っ!」
 着替えたばかりの服がコーヒー色に染め上げられ、自分のふがいなさに泣くculi。ま、自業自得である。
 数年後、同じ食卓で同じことが起きたとしたら……たぶん「ふぇ~っ!」なんて嘆き声は聞かれまい。新素材で作られた着心地満点、しかも、水も油もはじき、アイロンも不要の繊維を上から下まで、まとっているからだ。
 ナノテクノロジーの恩恵に預かるのは、まだ、企業の開発部門のみなさまで、一般庶民には降りてこないだろう……と思っていたら、そんな新素材(ナノ繊維)のシャツがすでに売り出されていると聞く。それだけではない。シワを隠し、10歳は若くみせるというファンデーションまでも。美容、健康、食品、ファッション……この分野のナノテク商品は、あっというまに広まるに違いない。
 たとえば、微生物増殖を防止する食用品パッケージ(食品の消費期限が伸びる!)、血液中を循環し、毒物を除去するナノ粒子受容体(お医者さんを体内に?!)、分子レベルで不純物を取り去るフィルター(蛇口につければ、生水も安心さ!)……と、ナノテクが見せてくれる未来の夢は尽きない。
 ……が、科学は悪魔も連れてくるのである。昨日の日記に書いた19世紀を描いた映画『スチームボーイ』では、発明=科学が人類にもたらす明暗をテーマにしていたけれど、21世紀も引き続き、同じ問題を抱え込んでいることを忘れちゃいけない。
『創造する機械』の著者、ドレクスラー氏の唱えた分子レベルのナノロボットは、それこそ夢のロボットだ。あらゆる物体は、しょせん、分子と原子の配列にほかならない。その配列さえわかれば、たったひとつの分子レベルのロボットを配列通りに増幅させることで(自己複製)、どんな物質も創り上げることができるのだ。一個のナノロボットが、メル小屋から巨大なビルディングの建設まで請け負えちゃうということだ。
 非常に突飛な話であるけれど、彼は同時に、重大な警告もしている。「もし、その自己複製するロボットが、コントロールを失ったらどうなるか?」である。たとえば、最初の一体が1000秒内に一個、自己複製するとする。その二個がまた1000秒内に自己複製していく。すると、2日で地球より重くなり、それより四時間以内に太陽と惑星全部を足した質量すら超える。たった2日で我が太陽系は「グレーグー」と名付けられた自己複製した物体に破壊されてしまうのだ(『ナノテクの楽園』エド・レジス著より)。
 ま、そんな夢のロボットは当分、作れるはずもなし……ではあるけれど、ナノテクへの警告はこれだけじゃない。「ナノバイオテクノロジーを使えば、研究者は、いまだ地球上に存在したことのない、まったく新しい微生物を生み出す力を得ることになる」(新兵器か!)という懸念、「粒子が小さくなるにしたがい、科学的な反応性は高まる。つまり、毒性も非常に強くなる可能性がある」という懸念(以上、『HOTWIRED』より)。すでに商品化されているものは、しっかり安全性を確保しているようだけど(「エコテックス規格100」などで認証済)、新しい技術製品に飛びつく前には、リスクをクリアしているかどうか、確認する必要はありそうだ。
 かつてフロンガスは人体に無害な夢の物質だったのに、いまでは「オゾン層を破壊してる!」ってことで規制の対象。遺伝子組み替え食品も本当に安全なのか、消費者は疑心暗鬼な状態とくる。安全性の判断は、企業への信頼度で決まるわけだが、このところ、消費者を裏切る企業も目立つ。
 科学の恩恵とそのリスクも、自己責任の時代なのですな。

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投稿者 かめちゃん : July 26, 2004 10:54 AM

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