MENU
カメちゃんのお出かけ帳

チームマイナス6パーセント

かめちゃんのBlog

« 今日の日記はお休み | メイン | 恐怖の歯医者 »

2004年08月24日

ムンクの『叫び』

  ノルウェーの画家ムンク(1863~1944)の『叫び』が、ムンク博物館(オスロ郊外)から盗まれた。
「またですかっ!」
 と思ったのだが、前に盗まれたのは、オスロの国立美術館にあったほう。ムンクの『叫び』は数点あるそうだ。
 この作品、中学の美術の教科書に載っていたので、けっこう馴染みがある。「叫ぶ」と言っても、世界の中心で愛を叫んでるのとは違い、狂気めいた叫びである。絵の中の叫んでいるヒトは、外に向かって感情を吐き出しているというよりは、息を吸い込みながら細くうめいているというイメージがある。まるで自分の叫びを飲み込んでいるみたいな感じだ。だから、後方に描かれている通行人のヒトには、その叫び声は聞こえない。いくら叫んでも、自分自身にしか届かない……という、そんな苦しさを感じさせるのである。
 教科書で初めてこの絵を見たとき、ビジュアルの持つ奇妙な力に驚いた。内面の感情を、こんなふうに絵の中で表現できることが不思議だったのだ。それまでは、絵を描くと言えば、写生。授業では、学校の屋上からの景色、写生大会では、近所の神社や公園の景色、特殊だったのは、舞台を観た後、心に残った場面を描く……。しかし、目に映ったものをそのまま描くということには変わりなかった。
「さあ、抽象画を描いてみましょう!」
 中学の美術講師はそう言って、教科書にはなかったダリの「記憶の固執」(やわらかい時計が枯れ木にぶらさがってる絵)を見せてくれた。
「げっ」
 あまりの奇抜さにビックリはしたけれど、ムンクの『叫び』に比べると、インパクトは少なかった。ダリのような超現実主義(シュールレアリスム)の絵は、うまく言えないが理性の狂気って感じで、考えなくちゃ頭に入ってこない。かたやムンクのような表現主義の絵は、感情の狂気だから考えるまでもなくストレートに入ってくる。
 彼は、なぜこんな絵を描いたのだろう。
 エンカルタ百科事典によると、幼年期に母と姉を結核で亡くしたことの精神的なショックを描いてるそうだ。彼はこの絵に限らず、一貫して内面的な苦悩や死のイメージを描き続けたそうである。描くことが彼の叫びだったのだろうか。
 さて、中学の授業。抽象画を描きましょうと言われても、ぜんぜん思い浮かばない。絵に塗り込めたい感情もない。で、何を描いたかといえば、宙に浮いているわんこ。犬である。
 理由:「犬、飼いたかったんだよな……」
 その学期、美術の成績がひとつ落ちたことは言うまでもない。 

投稿者 かめちゃん : August 24, 2004 11:46 AM

コメント


コメント用ボックス

コメントをお寄せくださる際は、お名前(必須)、メールアドレス(必須)、URLをご記入ください。




保存しますか?