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2004年08月27日

芸術の季節『夢から醒めた夢』の巻

  音楽教室を開いている演劇好きの友人の家には、録画した舞台のビデオがいっぱいある。といっても、もちろん、テレビで放映されたものの録画。
 先日、彼女の家に打ち合わせ(発表会のお手伝いするんで)に行ったとき、WOWWOWから録画した蜷川幸雄演出の『ハムレット』(主役は沖田……もとい、藤原氏よん)を見せてくれた……といってもさわりの10分程度。ようやく集中し始めたところで「プチッ」。「打ち合わせするよっ! 続きは今度ね」とギャーッ、鬼! せっかくいいところだったのにぃ! ……って違う、今日の話はハムレットじゃなかった。劇団四季の『夢から醒めた夢』だ。いかん、いかん。
 この舞台も、彼女の家で見た。NHKかなにかで放映されたものの録画で、実際の舞台は昨年秋に公演されていたもよう。内容は子供向けのミュージカルではあるが、なかなか感動できる。
 交通事故で死んでしまった少女「マコ」は、たったひとりの肉親の母親と最後の別れをするために、公園で出会った女の子「ピコ」に、1日だけ幽霊の身体と人間の身体を交換してほしいと頼む。ピコは好奇心からその申し出を快諾。幽霊の世界に1日だけおじゃまするのだ。ピコは本当の死の世界へ旅立つ駅のホームで、死をまだ受け入れられない幽霊たちに出会い、励ましてあげるのだが、マコが約束の1日を過ぎても戻ってこなければ、ピコはそのまま幽霊として一緒に死の世界へ旅立たなければならないと聞き不安になる。それもそのはず、ピコはマコのことはなにひとつ知らないのだ。マコがどんな女の子で、どこに住んでいるのか、ましてフルネームすらも。マコはほんとうに約束通り戻ってきてくれるだろうか。ピコの心配は杞憂に終わり、マコは約束通り戻ってきてくれたのだが、ここでマコの母親の引き留めが入る。必死に娘のマコにしがみつき泣き崩れている母親の姿を目にしたピコは、このまま自分が死んだ方がいいんじゃないかと悩み……ってな感じのお話である。
 暖かい気持ちになれるいい話なのだが、この原作が赤川次郎だと聞いて、びっくり。赤川次郎といえば、次から次へと新作を発表し、影武者が3,4人いるのではないかと言われたぐらいの人気ミステリー作家。学生時代にはまり、布団の中で夜更かしして読んだあげく、そのラストで激怒して本を投げつけたこともあるほど、救われない話を書いたりもする(もちろんそんな非情な話ばかりではないが)。
 そのミステリー作家が、子ども向けの暖かいファンタジーを書いていた……。へぇ。
 しかしその原作、あまり人気がなかったのか、本屋さんにはすでに置いていない。まああっても買うほどではないと思っていたら、友人が貸してくれた。なんと、原作は絵本だったのだ。絵は北見隆氏。よく雑誌や書籍カバーで見かける人気イラストレーターだ。
 赤川次郎の原作は、劇団四季の劇よりも短くシンプルだった。あっという間に読めてしまう。四季の劇は、彼の原作に肉付けし、サブストーリーを盛り込んだという感じだ。
 たぶん、劇団四季が舞台化しなければ、この小さなファンタジーは原作の絶版をうけて、そのまま消えてしまったかも知れない。世の中には、活字だけで消えてしまった物語がいっぱいあるのだ。劇や映画化される物語は氷山の一角。読書の秋。図書館で、絶版され忘れられた小さな物語を探すのもいいかも知れない。

投稿者 かめちゃん : August 27, 2004 11:49 AM

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