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かめちゃんのBlog

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2004年11月23日

読書の季節『パラレルワールドラブストーリー』

 もし、おとといの夜、半焼けのメカジキを食べなければ、お腹を壊さずにすんだかもしれない。急な病の原因として考えたのはそれだった。
 しかしそんなことは考えるだけムダである。原因がなんであれ、お腹を壊し、そして翌日熱がでて使いモノにならなくなったのが、消すことのできない現実なのだ。後悔など意味がない。
 とはいえ、メカジキにちゃんと火を通し、それでもなおかつお腹を壊したという世界もあれば、半焼けのメカジキを食べてもお腹を壊さずにすんだ世界もある……と考えるのが多世界解釈……つまりパラレルワールドってやつだ。
「この世界はひとつではない。枝分かれした無限の世界が並行して存在しているのだ」と大まじめに考えたのはプリンストン大学の学生だったエベレットくん。ミクロの世界、つまり、量子の研究生である。
 と、今日はエベレットくんの話じゃない。いまをときめく人気作家、東野圭吾氏の『パラレルワールドラブストーリー』の感想だ。彼の作品を2冊続けて読んだ。最初は『変身』、次がこれ。両方ともエンターティメント作品だけど、主題は興味深い。『変身』は脳移植によってドナーの人格が自分を支配するというお話で、『パラレル~』は、記憶を改変された主人公が、封印された辛い現実の記憶と居心地のよい今の記憶のはざまで真実を探し求めるお話だ。つまり、両方とも「自分を自分とするものは人格なのか、記憶なのか、それとも別のなにかなのか」というアイデンティティに関する問いを投げかけているのだ。
 タイトルに「パラレルワールド」とあるものだから、てっきりエベレットくんの唱えた並行世界の話かとおもいきや、より現実味のある心理世界の話だった。ストーリー的には、愛と友情の物語ではあるのだけれど、その辺の感想はamazonにいっぱいアップされているから割愛。で、ただひとつ、読んで考えたのは「酔っぱらったときは人格変わるけど、意識は自分だよなぁ……。子どもの頃の話になると、忘れていたり、記憶違いをしていたり、話をおもしろくするために脚色したりもするよなぁ……。そもそも自己防衛のために、記憶は都合良く改変されるものだ、なんて話も聞くしなぁ……」なんてことで、人格も記憶も「自分ってなに?」ってことの答えじゃないんじゃないかということだ。
 なんてことをculiに話したら「また熱でるからそんな話は今度にしなさい」と言われた。ということで、その話はまた今度。
 ま、そんなことを気軽に考えるにはもってこいの小説です。


パラレルワールド・ラブストーリー
東野 圭吾

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投稿者 かめちゃん : November 23, 2004 01:44 PM

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