かめちゃんのBlog
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2004年11月29日
読書の季節『34丁目の奇跡』の巻
どうやら街は、クリスマス一色で彩られる季節になったようだ。キリスト教徒ではないけれど、このシーズンになると心が躍る……寒いけど。
本屋も例外ではなく、クリスマス関連の本が平積みになっていた。そのなかで『34丁目の奇跡』を見つけた。いや、見つけたというより、「見ろ、読め、買え」とばかりに一番目立つ場所に、どどーんと置いてあったのだ。しかも帯のキャッチがすごい。「こんなに心のあたたまる物語があっただろうか」「ついにめぐりあったぞ! いままで読んだ中で、一番心が温まる本! 人に教えたくない!」
「へぇ、温まりたいよねぇ、寒いからねぇ」と手にとってみれば「あれ? このタイトル知ってる」
それもそのはず、映画になっているのだ。観てないのだが、タイトルだけは知っていた。なんでも、小説が映画化されたのではなく、映画が先。小説はその後書かれたものらしい。
映画の制作年は、なんと1947年。その後、1994年にリメイクされたという。ずいぶん古い時代に書かれたものだけど、ストーリーはまったく色あせてない。
主人公はサンタクロース。いや、自分はサンタクロースだと言い張っている老人だ。彼は妄想癖があると思われている。そんな彼がひょんなことからあるデパートのサンタクロースの売り子として雇われる。そのサンタの仕事は、子ども達に「何が欲しい?」とクリスマスに欲しいものを聞き、隣にいる親の顔をうかがいつつ、クリスマスプレゼントのアドバイスをすることだ。しかし、この老人、なぜか、街のオモチャ売場を全部把握しているようで、子どもが欲しいと言ったものがそのデパートになければ、別のお店を紹介してしまう。
このままでは売り上げが落ちると考えた売場の責任者は彼をクビにするのだが、社長室には「私益を考えず、優しくて素敵なサンタさんに会えたこと」に対する感謝状がいっぱい。それがデパートのイメージアップにつながり、トータル的に売り上げは伸びていたのだ。
自称サンタは、売場責任者も味方につけて、そのまま働けることになったけれど、妄想癖のある彼をよく思わないそのデパートの職業指導者が「妄想癖がある人物は、いつ暴力的な人格に変貌するかわからない。子どもに被害が及んだらどうする」ということで、彼を病院に強制収容してしまう。老人は病院に入れられるほど重症じゃないという弁護士(売場責任者との恋の行方もストーリーに絡んでくるが、それはパス)は、裁判を起こしたのだが、成り行き上、彼が「ホンモノのサンタクロース」だということを証明しなければならなくなる。
「はは~ん、最後はその老人がホンモノのサンタクロースでした! と、トナカイのそりにのって天に昇っていく、なんて感じのファンタジーか」と思いきや、そうじゃない。ファンタジーでもおとぎ話でもなく、現実にありそうな話なのだ。この街に起きた奇跡は、現実に起こせる(かも知れない)奇跡なのである。
その老人は、本当にサンタクロースだったのかは最後までわからない。いや、その判断は、読者に任せているのだろう。老人が本物のサンタクロースだと信じればそうなのだろうし、信じなければ夢多き老人に過ぎない。なにしろ、この話のテーマは「信じることってなに?」なのだから。一応この物語では「信じることは常識より大切なこと」「信じることの連鎖が、やがて奇跡を呼ぶ」と語っている。
他人をどこまで信じられるか。家族や友人は? 「信じている」と思っていても、本当に、心から信じていると言えるだろうか。旦那が突然「会社を辞めて、ラーメン屋になる」と言ったら、その成功を信じてあげられるだろうか? 子どもが「世界で何が起きているのかこの目で見るために、1年間、外国を放浪したい」と言ったら、その信念を信じてあげられるだろうか? 「日本を今一度洗濯いたしたく候」と言ったら、「アホか」と笑い飛ばさずにいられるだろうか。
信じるということは、「成功だけを信じる」ことじゃないのかも知れない。たとえ失敗しても、それを受けとめる覚悟までなければ、本当にそのヒトを信じているとは言えないのかも知れない。
ま、そんなことを考えさせる本です。あ、もちろん、温かい気持ちにもなれます。
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投稿者 かめちゃん : November 29, 2004 01:51 PM
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