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2004年12月11日

映画鑑賞会『Mr.インクレディブル』の巻

 もし、culiがアニメ関連の仕事などしていなければ、この映画は絶対に観なかったに違いない。ディズニー映画『Mr.インクレディブル』である。
 ディズニーでは初の人間を主役にしたオール3DCG映画。動物や人形、あるいは架空の生物の3D映画ならすでに何本か作られ、成功している。しかし、人間の3Dは、生気のない人形みたいになってしまい(ゲームならまだしも)映画ではあまり成功例がないと聞く。実際、前作『ニモ』に出てくる人間も、動きが不自然で気持ち悪かった。
 この『Mr.インクレディブル』も、人間というより人形である。デフォルメされているし、あまりかわいいキャラとも言えない。しかし、しょせんはアニメ。リアルさなど追求する必要もないのだろう。そう思えば、3DCGの人間たちも悪くない。
 この映画『Mr.インクレディブル』は、アメコミ系のヒーローもので、対象は小学生だろう。中学生以上になるときっと「つまらない」と思うに違いない……と思っていた。ストーリーも完全な悪役が出てくる勧善懲悪もの。主人公はピンチに陥るが、最後は必ず勝つ。おきまりのパターンだろうと。
 しかし、予想は外れた。もちろん、観客は小学生以下の子ども連れの親子が大半だ。友だち同士というのもあるが、カップルはほとんどいない。日本のアニメなら(ハウルもそうだが)、カップルや大人の男性客の姿も見られる。同じアニメでも方向性が違うのだろう。
 たしかに、伏線もふくめ、オチはすべて読めるほどにわかりやすかった。あまりにヒーローものの王道をいく設定なのだ。しかし、退屈するかとおもいきや、これがけっこう楽しめた。3DCGの人間の動きは人形のようではあるけれど、かえってそれが独特の味を醸し出していたし、テンポもよく、スリルもあり、ストーリーは家族愛を軸にした、ホームドラマ。誰もが楽しめる要素が詰まっている。
 話の中心は、スーパーヒーローの特殊能力を持った一家が、倒錯したヒーローマニアと戦う……ってことになるのだが、その中には、日常で起きるささいな家族の問題など、共感できるエピソードが織り込められている。スーパーヒーローといえども、普通の人間と同じ弱さを持っているのだ。
 どうせアメリカのヒーローものだから、正義が絶対悪を倒す勧善懲悪物語なんだろうと思っていたら、そんな単純には描いていなかった。悪役のヒーローマニアは、いまの時代なら「いるよね、こういう勘違いしてるやつ」ってな感じの青年だし、彼がぐれたいきさつも描いている。そして、本当に戦う相手は、その男自身ではなく、彼が発明した武器なのだ。想像以上に危険になってしまったその武器との攻防は、現代の戦争を彷彿させた。
 敵は自ら作った武器を街に放ち、それを自分で退治してヒーローになろうとしたのだが、その武器があまりに強力で、手に負えなくなってしまう。そこで、そのスーパーヒーロー一家が家族で協力してその武器の暴走を止める。本当に危険なのは、男ではなく、作りだしてしまったモノなのだ。
 自分たちには危険が及ばず、相手を一方的に攻撃できる高性能な武器(ミサイル)が、現代の戦争の主役だ。その武器が使われた現地の惨事を、使った国のヒトビトはわかっているのだろうか。たぶん、想像すらできないだろう。この敵の男のように。
 もちろん、このストーリーには現実の戦争の匂いなどは皆無。だけど、現代という世の中がどのような世界なのか、幼い子どもたちに、わかりやすく、おもしろく、教えているような気がした。
「悪いヤツはやっつけろ」という単純な構図では説明できなくなってしまったいまの世の中、子ども向けのエンターティメントもそのテーマは変化してきているのだろう。

投稿者 かめちゃん : December 11, 2004 02:03 PM

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