MENU
カメちゃんのお出かけ帳

チームマイナス6パーセント

かめちゃんのBlog

« アニメ制作にどっぷり | メイン | ハムスター? »

2005年04月21日

本の紹介?『メディアビオトープ』の巻

2005-04-21.gif  昨年の春、スノーポール(キク科の白い花)の苗を大量に買いプランターに植えていた。今年は冬の花(シクラメンやビオラやパンジー)がまだ咲いているので、春の花の苗は買わずにいたのだが……なぜか今年もスノーポールがあちこちのプランターで咲いている。土に種が混ざっていたのだろう。デザインされた庭にはならないけれど、自然のまま咲き出す花もまたよいものだ。
 四、五年前、仕事上で初めて「ビオトープ」という言葉を知った。ヒトの生活圏で、虫や鳥が生きられる小さな自然の場所のことで、小学校の校庭や家の庭やベランダでも造ることができる。ただ、自然に生きられる……ということになれば、毎日枯れ葉を掃除してしまう公園や、ガーデニングのようにデザインされた庭はビオトープにはなりにくい。つまり、農薬も使わず、雑草も引っこ抜かない、草ボウボウの庭でなければならない(つまりウチのベランダのような~)。
 ただ条件(草ボウボウ~)はそろっていても、孤立していてはこれまたビオトープにはならない。ほとんどの虫や鳥は、その場所だけで生活しているわけではなく、ビオトープからビオトープへと移動しながら独自の生活圏を作り上げているからだ。ほかのビオトープや自然の場所(山や川)から遠く離れていれば、大した生物はやってこないし、生態系はうまれない。ビオトープとして機能するには、恒常的に循環する生態系の中にあるかどうかが鍵となる。つまり、ビオトープは生物たちの生活圏におけるひとつの点、生活ネットワークの中継地点ということだ。
 いま、物事の本質は「個」ではなく「ネットワーク」にあるのではないか? といった本をよく見かける。脳の話でも、記憶や意識は頭の中の引き出しに蓄積されているものではなく、その都度ネットワークによって生成されるものであるとかなんとか。まあ、よくわからない頭の中を持ち出すまでもなく、毎日お世話になっているインターネットみたいな世界のことだ。
 昔、インターネットが爆発的に流行り出す前、あるパソコンライターさんから「ネット人口が増え続ければ、ネットは物理的に機能しなくなる」という話を聞いた。回線がつながりにくくなるから……という理由なのだろうけれど「きっと、そうなんだろうな」と信じていた。しかしどうだろう。どんなにネット人口が増えても、ネットは混乱することはない。今度そのライターさんに会ったら「ハズレましたね。ふふふ」とご挨拶してやろうと思っているが、たぶん二度と会うことはあるまい(顔忘れちゃったし)。
 なぜネットワークなのか。要するに、ネットワークで構築されたシステムは、ピラミッド型に構築されたシステムよりも強くて長持ちする(安定している)からってことのようだ。ひとつの山で循環している生態系はモロイけれど、広く分布している生態系は強い。まあ、どの分野であれ、一極集中システムは無理が利かなくなるぞ、ということを伝えるために、ネットワーク論が本屋を賑わせているということか。
 その賑わいの一冊、水越伸氏の新刊『メディアビオトープ』では、メディアをビオトープにたとえ、ネットワークとして機能させるためのメディア論を説いている。いまの五大メディアはスギの木のようにそびえ、すべての栄養を独占し、そのほかの小さな草木が育つことを許さない。そんなスギの山は、大量の花粉を撒き散らすほか、大雨に見舞われれば地盤がゆるく地すべりしやすい。つまり、弊害を引きおこすだけでなく、なにかことがあれば、一気に崩壊する危険があるということだ。
 ……ってな感じで、メディアの現状を自然の現状と重ね合わせてわかりやすく解説しているのだが絵もいっぱいあって、非常に読みやすい。メディアリテラシーとはなんぞや? ってことを知るための入門書にもなるんじゃないかいな。

メディア・ビオトープ―メディアの生態系をデザインする
水越 伸

紀伊国屋書店 2005-03
売り上げランキング : 4,741

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

投稿者 かめちゃん : April 21, 2005 03:43 PM

コメント


コメント用ボックス

コメントをお寄せくださる際は、お名前(必須)、メールアドレス(必須)、URLをご記入ください。




保存しますか?