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カメちゃんのお出かけ帳

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2005年06月12日

観劇帰りのトラブル

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 昨日、はるばる彩の国(さいたま)まで劇を観にいった。蜷川演出の『近代能楽集』。予習の読書もして、ストーリーもイメージもばっちり頭にたたきこんだ……が、場所、遠すぎ。電車にゆられること(ほんとに揺れるんだこれが)、1時間。夜の部だったので、帰りの時間がちょっと気になる。終わるのは21時だから、まあ、電車がなくなることはあり得ない……と思っていたら。
 帰りに「もしや帰れるか?」という状況に陥った。結論からいえば余裕で帰れたのだが、「普及の見通しはたちません。お急ぎの方は、となりの駅まで歩いて……」なんて放送が入れば、「帰れないかも!」と心配になるものだ。
 まだ劇場にいるときに、携帯電話で時刻表を引き、一番早く帰れる方法を模索。「21時20分の快速にのる!」と決めていた。それなのに、駅に着いたら、目的の快速の前の電車がとまったまま。嫌な予感。まもなく駅の放送で、前の駅で人身事故が起きたことを知った。
 学生時代、最寄の駅でなんどか「飛び込み」があり、電車がとまったことがある。その頃は、「なぜ人の迷惑を考えずに電車に飛び込むんだろう」と自殺した人に怒りを向けていた。だけど、事情はそんな単純ではないことがわかってから、「なんで飛び込みを防止する柵をとっととつけないんだろう」と怒りの矛先は会社に向けている。
 駅のホームは怖い。飛び込むつもりなどさらさらなくても、吸い込まれそうになることがある。スキーで人のいるほうにいかないようにコントロールしているつもりが、なぜか、人がたくさんいるほうに突っ込んでしまうのと同じ感じだ(ちょっと違うか)。とにかく、意識していないのに、ふわ~っといっちゃいけないほうにいっちゃいそうになる。これって、科学的根拠なんてまったくないのだが、頭の中の自殺遺伝子(指を形づくるときに自ら死んでいく細胞があり<だから指に谷間ができる>を司ってるプログラムなどを自殺遺伝子というってなにかで読んだ)が、ちょっと活発になっちゃってるんじゃないか? なんて思ったりする。
 どうやら、電車に飛び込むのは、無意識的な衝動で実行してしまう人が多いと聞く。その原因のひとつに、うつ病のクスリの副作用があると確かNHKの「クロ現」で見た。だからといって、クスリを飲まなければ仕事もままならない……。なんというやっかいな話だろう。
 3万人も自殺者を出しているというこの国では、うつ病はいまや現代病なのだろう。自分が絶対にならないとはいえない。いや、うつじゃなくても、ホームは危ない。酔っ払って、「あらら?」と落ちてしまうこともあるだろうし、ケンカして落とされちゃうこともある。予算はかかると思うけれど、駅が「死」とは無縁の場所になるように、真剣に対策を考えてほしいものだ。
  人身事故のアナウンスを聞いたとき、ふと、いま観て来たばかりの『近代能楽集/弱法師』の一場面を思い出した。主人公の青年は、戦争で失明し、最後に見た景色が、火の中で逃げ惑い死んでいくヒトビトの姿だった。そして彼自身もまた、そんな猛火に、目を奪われてしまったのだ。彼はその「世の中の終わり」の景色を「世の中の本質、真の姿」だと思っている。復興した世界を見ることのできない彼は、そんな(自分の見た)地獄の中で平然と生きるヒトビトを蔑むことで自分を支えていた。
 それなのに、桜間という家庭裁判所の調停役が、「世の中はキレイ」「終わっていない」「あなたはすでに死んでいた」などと言い放ち、彼の世界を壊してしまう。
 となりの駅の人身事故の原因は知るよしもないけれど、とっさ的なものであったとしても、その根底には、世の中の本質を肌身で感じてしまった悲劇があるのかも知れない。

投稿者 かめちゃん : June 12, 2005 12:43 PM

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