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2005年07月05日

むかし読んだ漫画

2005-07-05.gif ひょんなきっかけで、子どもの頃に読んだ『ポーの一族』を買って読んだ。いまは文庫になっているので全3巻に収められているが、当時は5巻にわたる単行本で、友だちから借りて読んでいた。萩尾望都の作品で一番すきなのは『11人いる!』だけど、一番ショックを覚えたのはこの『ポーの一族』だった。
 物語の構成にとにかく驚いた。舞台は200年という長い時間を描いているが、ストーリーは時間軸通りには進めていない。アルバムから何枚かの写真をはがしてシャッフルし、一枚ずつめくっては「ああ、この写真はねぇ」とエピソードを語り出す……そんな感じだ。そしてそのアルバムは、ひいおじいちゃんのものからひ孫のものまで混じっているのに、ひきぬかれめくられた写真の中には、必ず同じ少年が写っているってわけだ。なるほどねぇ、年をとらない魔性の少年を描くなら、物語を時間通りに進める必要などないってわけか。永遠の少年である彼らにとっては、時間は一方向に流れるものではなく、バラバラに切り取られた断片のようなものだろうから。とまあ、まずはその構成に感心したのだ。
 そして絵の美しさと、詩のような言葉の運びに参ってしまった。耽美すぎず、退廃すぎず、明るすぎず、暗すぎず……。メッセージ性が強いわけでもなく、物悲しいノスタルジックな印象だけが残るのだ。
「みんなわたしをおいていった」
 と、ある登場人物が語るところがあるけれど、読み終えたあとの気分もそんな感じ。おいていかれたものは、現実の自分の世界で生をまっとうするだけだ。
 このなんともいえないノスタルジックな気分はなんだろう。時とともに変わり続ける世界で、永遠に変わらないものというのは、なぜか愛しく感じる。まるで色あせない骨董品を眺めているようなものだろうか(ちがうか)、あるいは、樹齢何千年の樹木に抱く敬意のようなものだろうか。
 二十年以上も前に読んだ本。いま読んでも、昔とおなじ気分に浸ってしまう。この本も永遠に変わらないもののひとつなのだろう。

4091912516ポーの一族 (1)
萩尾 望都

小学館 1998-07
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投稿者 かめちゃん : July 5, 2005 01:47 PM

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