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2005年09月07日

風邪の日の読書『しのびよるネオ階級社会』

2005-09-07.gif 咳がとまらない!!! 姉のお見舞いコメントで、「マイコプラズマ肺炎」が流行ってるぞい!というメッセージがあり、ギョッっとなった。で、調べてみると「痰の出ない乾いた咳が続く」とあり「じゃ、違うわ」と、一安心。なにせ痰がからむからむの湿った咳なのだ。
 それはさておき、調子が悪いと何もする気になれず、本を読む。何冊か読んだうち一番おもしろかったのが林信吾著『しのびよるネオ階級社会』(平凡社新書)である。なにがおもしろいって、内容じゃなく、文章(あ、いや、内容もおもしろかったけど)。人によっては「なんだこいつ!」と反感を覚えるに違いないというほど自信過剰(半分ジョークだろうけど)。まあ、自信過剰な信念と勘違いがないと売れる本なんて出せないでしょう。
 で、この本、昔読んだ佐藤俊樹著『不平等社会日本』でいってることにほぼ重なる(こっちはデータいっぱいでお堅い)。つまり、日本の一億総中流社会はとっくに終わりを告げており、これからはどんどん貧富の差が広がり、その層は、すでに世襲的に固定化されつつあるというものだ。「努力すればどんな職業にもつける」という機会の平等は幻想で、経済的にも社会的にも、親が○○なら、子も○○になれる(orなるしかない)というシステムになっているというお話。林氏はこの本で、10年間イギリスの階級社会にどっぷりつかって観察した結果、「日本はイギリス流の階級社会になりつつある」と警鐘を鳴らしているのだ。
 イギリス流階級社会。大きく分けると、上流階級、中流階級、労働者階級。上流と中流の差はお金があるなしじゃなくて身分の差。中流と労働者の差はお金のあるなしに加えて職業の違いがあるそうな。で、それぞれの階級によって、住む場所も違えば飲む場所も違う(同じバーでもエリアが違う)。それは厳格に決められているわけではなく、自らわきまえてそう分かれていくらしい。まあ、考えてみれば、飲み屋で上司のグループとばったり鉢合わせたとしても、同じエリアに行かないのと同じか(違うか)。
 で、階級社会になると、なにが問題か。「どうせ努力しても無駄」「あの人たちとは世界が違う」と自ら住み分けてしまった人々は、毎日、過酷で単純な労働を繰り返すも、生活していくだけでやっと。たとえ暇ができてもお金がないのでなにもできない。そして、その子どもたちが親の世界から抜け出すには、並大抵の努力じゃおっつかない。公立と私立の教育レベルの差が広がり、普通の学校教育だけで、高収入のなりたい職業につける見込みは薄くなる一方。
 具体的にいえば、いまのフリーターやニートといった層が、その労働者階級に固定化される兆しが見えるということだ。そして彼らの子どもたちが目指せる職業の幅が、お金の問題だけでなく、親の意識(社会の意識)で初めから決まってしまう。それでも楽しく生きられればそれで満足! となればいいのだが、そうはいくまい。どの世界でも、貧困と差別は紛争の種なのだ。
 ちなみに、日本の貧困率は世界で5位なんだそうな(経済開発協力機構のレポート)。貧困率というのは、その国の人々の収入を上から下までずらりと並べて、その真ん中(2002年の統計では476万円)の半分よりも所得の少ない家庭の比率のこと。90年代から一気にこの貧困率があがっているらしい。で、逆に2000万以上の所得のある家庭も増えているとか。
 まあ、データであげてもらわなくても、「負け組」「勝ち組」という言葉はすでに定着しているし、誰もが実感していることかも知れない。ただ、まだ自分は中流と思っている人がほとんどだろう。社会格差に気づいたときは、すでにどちらかのポジションに移行しているとき。で、もうそこから抜け出せない。さて、自分はどっちに向かってる? と、青くなった1冊でした。

458285267Xしのびよるネオ階級社会―“イギリス化”する日本の格差
林 信吾

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投稿者 かめちゃん : September 7, 2005 10:40 AM

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