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2005年12月30日

いまさら『インディー・ジョーンズ』(その2)

2005-12-30.gif 引き続き『インディージョンズ』。今日は第二弾の『魔宮の伝説』である。昔テレビで観たのはこれだと思うのだが、ストーリーは覚えていなかった。邪教集団の儀式で、燃えたぎる火口に人間のいけにえが捧げられる残酷なシーンだけは印象に残っていたけれど、有名なトロッコのシーンは「なんとなくあったような……」程度。結局、このシリーズは、後にひくタイプの映画ではなく「観てスカッとして忘れる」といったお気楽娯楽映画なのだろう。
 が、トロッコのシーンといい、邪教集団が高山の地下でさらってきた村人(映画では子どもたちだったが)に強制労働させていたりと、どうも『ドラクエV』を彷彿させる。これ、どちらが先? って映画ですね(映画は1984年。ドラクエVは1992年)。ドラクエは影響うけてますよね、絶対。ということは、「観てスカッとして忘れる」という人々だけでなく「観てスカッとしたから自分も創る!」と刺激を受けた人々も少なからずいたのだろう。
 確かに、前作よりもスピード感がありコミカルで、エンターティメントとしては洗練されていたと思う。アクションシーンはアメコミのノリなのだろう。あいかわらず人を簡単に殺しすぎ! だけど、その殺戮方法がマンガチックなのだ。いまのアメリカだとR12がつきそうな気もするが、どうなのだろう。が、暴力よりもインドの扱いが……ひどくない? まあ、この時代はまだ仕方がないのかも知れないけれど、西洋人独特の東洋(=野蛮、非文明)史観がひっかかる。邪教集団だけでなく、村人もゲテモノ系食ってたようだし。映画の舞台は1935年、インドの農村が荒廃し餓死者が後を絶たなかったのは、邪教集団のせいじゃなく大英帝国のせいだぞ……と言ってみる。
 とはいえ、この邪教集団(サギー教)のモデルになった殺戮集団は実際にあった。200年以上(500年以上とも)にわたりインドに巣食っていた強盗教団(サギー、サギズム)である。映画同様、カーリー神(もっとも過激な破壊の女神。シヴァ神の奥さんのひとり)を都合のいいように解釈し、殺人を正当化、神へのいけにえ(本当はだたの金品狙い)で旅人を殺し続けた。19世紀の神秘思想家、ブラヴァツキー夫人の著書『インド幻想紀行』には「イギリスのインドでの功績のトップは、この殺戮集団を完全に抑圧したこと」てなことが書かれていた。
 映画では、この完全に抑圧したはずの強盗教団が復活を狙い、シヴァ神の聖なる石=サンカラ・ストーンを集めていた。インディ・ジョーンズは、盗まれた石と連れ去られた子どもたちを救うために邪教集団の宮殿に向かう……。
 実際のサギーには、イスラム教徒もキリスト教徒(ポルトガル人、イギリス人)も混ざっていたらしい。映画のように、崇拝者はみんなターバン巻いてるヒンドゥ教徒(といっても曲解したカーリー信者)だけではなかったようだ。野蛮なのは、東洋人ばかりじゃないのだよ。
 なお、この殺戮集団の殺し方は絞殺である。映画のように、心臓をわしずかみにして火口に落したりはしない。彼らは道に迷った振りをして旅人に同行し、ひと気の途絶えたところで後ろにまわり、聖なるハンカチで一瞬で締め上げる。相手は気づかないうちにあの世行き(一瞬で殺せるツボがあるらしい。ひょえ~)。この話は以前、インドについて調べていたときに、いくつかの文献で見かけたものだ。イギリス人にとって、サギーはよほど怖かったんだろう。
 前作のアークは聖書に記された歴史上の秘宝だけれど、サンカラ・ストーンはどうなのだろう(知らないのだが)。サンカラというのは混合カースト(カースト制度を乱す=平和を乱すもの)の意味があるらしいが、映画ではシヴァ神から聖石を授けられた高僧の名前となっているようだ。その聖石とは、実はシヴァのリンガ(=男根。シヴァ神の象徴なのです)。ヒンドゥ教では、場所や石などの事物に神が宿るとされており、それが「聖なるもの」として崇拝の対象となる。映画にあった村の人々は、リンガをかたどった石を崇拝していたわけだが、そのような村は現実にもたくさんあるのだろう。ところで、なんで5つ?
 映画では、サンカラ・ストーンは5つあるとされていた。これはなんでなんだろう。シヴァ神は、三つの頭を持つリンガの姿をして現れたりもするようだが……なんで5つ? もともとそういう伝説なのだろうか(原典はなに?)。ちなみにカーリー神は夫であるシヴァ神を踏みつけて現されたりする。暴走した彼女の殺戮行為をとめるため、シヴァはあえて踏まれ役になったとか。多神教の神様たちは、おもしろいですな。
 「観てスカッとして忘れる」はずの第二弾。が、なんで5つ? と疑問が残って忘れられない。ま、今晩、第三弾を観て忘れます。

【参考文献】
『ヒンドゥー教』 山下博司著
『インド幻想紀行(上)』 H.P.ブラヴァツキー著
ほか

投稿者 かめちゃん : December 30, 2005 04:04 PM

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