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かめちゃんのBlog

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2006年01月19日

読書『CM化するニッポン』

2006-01-19.gif メディアコンテンツ産業で本当に自分の創りたいものを創りたいなら、テレビ局や雑誌社にいくよりは、そのメディアに広告を打っている大手企業の広報部にいくのがいちばんかもしれない。そんなことを思わせる本を読んだ。内容は、知っていたこと、うすうす気づいていたことが多いけれど……『魔法使いサリー』のサリーちゃんの名前は本当はサニーちゃんだった! とは知らなかった(どうでもいい箇所だけど)。
『CM化するニッポン』(谷村智康著)は、なぜ、テレビがおもしろくなくなったのか? 新聞や雑誌はほんとうに信頼できるものなのか? を具体的な例(事実らしい)をあげて読者に問いかける形の本である。「だから信頼できないでしょう!」と意見をおしつけているわけではない。「メディアとは、こういうものなのですよ」と、いわば、メディア業界の舞台裏を紹介しているにすぎない。どうとらえ、どう考えるかは読者にまかせられている。
 いうまでもなく、メディアは第四の権力であり、世の中に大きな影響を与えるものだ。この二日間ほどのライブドアショックにしても、なんでライブドアが市場を揺るがすほどの企業になってしまったのか、驚くばかりだ。社長をあちらでもこちらでもと持ち上げ「時の人!」に仕立て上げた、メディアの集中報道による影響は計り知れない。
 確かに、ライブドアは、「あっ!」と驚くあの手この手を次から次へと出してきて、関心が自分(自社)から離れないようメディアをうまくコントロールしてきたように思える。なにしろ、報道してもらう=無料の企業宣伝なのだから。
 テレビドラマや映画の中で使われる小道具には、協賛企業のグッズが使われているってことぐらい、たいていの人は気づいているだろうし(ライバル社のグッズは絶対でてこない)、番組出演者が、その協賛企業のCMにも出ているケースが多いということもわかっているだろう。こういう、番組内にさりげなく商品を入れ込むことを、「見えない広告」というのだそうな。
 海外旅行の番組を観ていたら、CMは英会話学校や航空会社だったり、環境番組を観ていたら、CMは「エコ」をうるさいほどに強調する電気メーカーだったりと、多くの場合、番組とCMはリンクしている。CMを打つクライアントが、番組作りにも口を出しているのはあきらかだ。ちなみに『魔法使いサリー』ちゃんの名前がサニーちゃんからサリーちゃんに変わったのは、提供企業のライバル社の商品に『サニー』という名前のものがあったから……だそうな。
 テレビだけではない。新聞では、「癌に効く○○」という科学的根拠のない健康食品を広告として載せることはやらないが、『癌に効く○○』というタイトルの本の広告ならOKなんだそうな。商品を宣伝する(広く伝える)意味では同じことだというのに。
 だから? 別に番組や記事に特定企業がからんでなにが悪い? と思う人はたぶん多いだろう。どのチャンネルにあわせても、某社の社長の顔ばかりが出てきても悪くはない。ただ、「あっちもこっちも同じように取り上げているから信頼できる情報なのだろう」と勘違いしてしまうことは危険だ。たとえ媒体が違っても、その情報ソースは一緒ということはいくらでもある(メーカーは同じ資料を渡しているし、同じ記者会見の取材だったりする)し、自分でネタを見つけるよりも、一度どこかで報道されたネタをつかいまわす……という番組や記事は、五万とある。
 ライブドアショックなどをみるに、メディアの情報に「勘違い」するのはこわっ!……いことだとつくづく思う。これからの世の中、メディアリテラシー能力は絶対必要になるだろう。そのための入門書として、この本は参考になると思う。
 名前の響きからすれば、サニーちゃんより、サリーちゃんでよかったような気もするなぁ……(しつこい)。


CM化するニッポン―なぜテレビが面白くなくなったのかCM化するニッポン―なぜテレビが面白くなくなったのか
谷村 智康

WAVE出版 2005-10
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投稿者 かめちゃん : January 19, 2006 10:41 AM

コメント

谷村様、コメントありがとうございます。
貴著を知ったのは神保哲生氏のブログにおいてです。
大手書店を数件まわりましたが、どこにもおいておらず、結局、アマゾンで購入いたしました。
この情報消費時代、一番必要な能力はメディアリテラシーだと思っています。
「多くの気づき」を与えてくれる貴著は、より多くの方に読んでいただきたい1冊です。
(次回出されるときは、ぜひ、新書で……と思うのですが)。

雑誌のご紹介ありがとうございます。
そちらも目を通し、再度、貴著を読み直してみたいと思います。

投稿者 かめちゃん : February 17, 2006 10:58 AM

拙著の感想をありがとうございます。
あの本に書いてあることが事実なのは、雑誌『LEON』の成功の内幕を書いた『LEON』や、電通の出している『アドバタイジング』(12号)などをみると明らかです。

批判的に書いている私のスタンスと、肯定的に書いている彼らの差こそあれ、しかける側が誇らしげにその内幕を書いています。
一度、ご覧になってみることをお勧めします。

投稿者 たにむら : February 16, 2006 09:16 PM


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