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2006年04月10日

ユダの福音書

2006-04-09.gif いま、本屋に行くと、キリスト教関連のミステリー文庫が平積みされている。『ダ・ヴィンチ・コード』『聖骸布血盟』『メサイア・コード 』(『イエスの遺伝子』のタイトル変更版?)『イエスの古文書』……。この国のキリスト教徒は1%程度らしいが、クリスマスで馴染み親しんでいるせいか、興味や知識を持っている人はけっこう多いのだろう。

 そんなブームをさらに過熱させるかのように(?)、1970年代に発見された「ユダの福音書」の写本の解読が終わった! というニュースがあった。で、昨晩、その特別番組をCSの『ナショナルジオグラフィックチャンネル』でやっていた。

 福音書というのは、イエスの死後に書かれたイエスの言行録。新約聖書(正典)にはマタイ、ルカ、マルコ、ヨハネの4書のみが認められて、ほかはすべて没(外典)! である。今回の「ユダの福音書」も没にされたひとつ。
 番組によれば、2世紀頃、さまざまな流派(特にグノーシス派)により福音書が乱立し、収拾を図るため(正統派を擁護するため?)、読みやすくわかりやすい正統派4書をセレクト。あとは徹底的に弾圧されたようである(いつの時代も、大衆ウケしたわかりやすいものが生き残るということか)。

 この「ユダの福音書」(を含む古文書)の写本は、コプト語(古代エジプト語)でパピルスに書かれたもので全13ページ。放射性炭素年代測定により300年頃のものと判明した。が、二度の売買、窃盗、貸し金庫に放置……ってことでもうボロボロ。修復から解読まで、ぜったいこんな仕事やりたくないと思えるような途方もない作業の様子も番組ではとりあげていた。

 まあ、その作業のことはおいといて、その内容は? ……これがびっくり仰天、ユダはイエスを金で売った裏切り者じゃなく、イエスの教えを唯一正しく理解していた弟子であり、売ったのはイエスの指示によるものだった! というもの。くわえて、イエスからこっそり、神の国の秘密を教えてもらっていた! ってなことが書かれているようだ。
 が、この内容はすでに180年頃に司教エイレナイオスによって書かれた『異端反駁』に言及されているようで(もちろん、異端として非難=「ユダの福音書」はグノーシス派による創作で、福音書は4書(正典)のみ! と主張)、今回、その裏づけがなされたということか。

 ニュースではユダが裏切り者でないとすれば、「世界的に大きな論争を巻き起こしそうだ」と煽っているが、外典は外典、異端は異端で終わるだろう。とはいえ、世界中の研究者の知的好奇心や作家の創作欲をくすぐることは間違いない。それに、同じグノーシス派の古文書『ナグ・ハマディ写本』(1945年発見。やはりエジプト、コプト語、パピルス文書、4世紀頃)とセットでグノーシス主義ブームが起きる(?)かも知れない。こちらは13の冊子からなっており、プラトンの『国家』の一部が書き写されていたりするらしい。

 グノーシスといえば、神秘主義やオカルトチックなイメージがつきまとってしまうけれど、本来はものすごく広義で複雑で小難しくて、一部のエリートにしか理解できないものだったとか。知っていることといえば、この世界を作った創造主は神様じゃないよんと、ユダヤの神を否定していることぐらいである。もし、この「ユダの福音書」がグノーシス派のものだとすれば、ユダ=ユダヤ人の象徴としてきた解釈はとんでもない! ってことになるのでは? ……と思うのだが。

 ともあれ、近々、「ユダの福音書」関連のミステリーが、本屋の平台に並ぶことだろう。でも、先日紹介したニーチェの現代語訳アンチクリスト『キリスト教は邪教です!』のインパクトには負けるだろうな~。


 とりあえず、ウチにある『グノーシス』(筒井賢治著)なんかを紹介しときます(まだ未読部分多)。

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投稿者 かめちゃん : April 10, 2006 02:53 PM

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