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2006年09月28日

観劇・ギリシア悲劇『オレステス』

2006-09-28.gif【カタルシス】〔アリストテレスが「詩学」で展開した説。浄化・排泄の意〕(1)悲劇を見ることによって日頃、鬱積している情緒を解放し、精神を浄化すること……[大辞林 第二版]。

 というわけで、カタルシスを得るためにギリシア悲劇『オレステス』を文化村(渋谷)まで観に行った……なわけない。ただ、蜷川氏演出、藤原くん主演の舞台ということで観に行っただけ~。とはいえ、作:エウリピデス(前485頃-前406) ……って、すごいよねぇ。2400年前の人ですよ。いまだ、演じ続けられているのには、それなりに魅力がある戯曲、なんでしょう……か?

 ストーリーは、不貞を働き父を殺害した母を、父の名誉と復讐と国の秩序のために殺せというアポロンの神託通りに殺した息子(オレステス)と姉(エレクトラ)の苦悩と逆ギレ劇。まったく、どの時代の神様も、ろくな神託を出さないですな。
 古代ギリシアは政教分離の(?)民主主義。「アポロンの神託? なんのことです?」と民衆は母親殺しの姉弟にどのような罰を与えるか(というより、どのような死刑方法を与えるか)の話し合いを始めている。母親殺しは死刑に値する大罪なのだ。

 オレステスはアポロンに見捨てられ(殺害後、アポロンは沈黙したまま)、復讐の女神にとりつかれたと狂人のようになってしまう。良心の呵責に死の恐怖、自分の行いを神のせいにし、叔父には命乞い……2400年前から人間の性は変わらないものですな(だから、いまだに演じられるのか)。
 けっきょく、叔父には見捨てられ、親友(ピュラデス)と民衆の説得に出かけるが、味方したのはひとりの農民だけ。あとの民衆は、オレステスを破滅させようとする有識者たちの論を支持し、死刑を望む。となれば、多数決で死刑決定! いつの時代も肩書きがものをいい、弁が達者なほうが勝つ!(これも、2400年前から変わりなし!)

 ここで、無念だが潔く死ぬ……のかと思いきや(あるいは、ここで、アポロンの助けがくるか! と思いきや)、このまま死んでなるものか、と見捨てた叔父の妻(ヘレネ)の殺害をたくらむ。そのやり方がなんとも汚い。叔父の娘を人質にし、家を燃やすというのだから、完全に逆ギレである。いいんですか、主人公なのに! ブラックヒーローの原点ですか!
 まあ、最後はけっきょく、アポロンが出てきて「仲良くしろよ」と丸く収めてはい、カタルシス~(おまえがけしかけたんだろうが!)。
 演出としては、ここで天井から神……じゃなく紙がパラパラと落ちてきて、拾ってみると、なんと「アメリカ国歌」「イスラエル国歌」「パレスチナ自治区の戦歌?」???? 強引に現実に引き戻されましたとさ。蜷川氏には、ギリシア悲劇の中にいまの中東情勢が見えたのでしょう。

で、その神……じゃなく紙(しつこい)を読んでみると[抜粋]

●イスラエル国歌→私たちの土地で、シオンとエルサレムの土地で、自由な人々になること……
●パレスチナ自治区→我が国土と我が故郷を切望する我が血、戦いの地我が祖国の決意……
●アメリカ国歌→私たちは征服しなければならない、それがまさに私たちの主義であるときは……(ひどいな)
●レバノン共和国国歌→すべての私たちの努力を私たちは捧げる。私たちのすべて!私たちの国のために、私たちの旗と栄光のために!

 なんつー歌詞じゃ。もう、勝手にやってください。日本は美しい国をめざしますから……って、美しい国ってなに?

投稿者 かめちゃん : September 28, 2006 01:15 PM

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